NHK学生ロボコン2019を振り返る4/4(機構編)
こんにちは、前年度の機構長です。二ヶ月ほど空きましたが、今回は機構的な面から大会を振り返ります。
ここでは、四足歩行、シャガイ投射、ゲルゲ受け渡しに分けて書いていきます。
まずは今大会で一番難しい四足歩行について話したいと思います。 ルールの発表後、皆でアイデアを出してから、使えそうな四足の機構を五機に絞って作成を進めていた。(今思えばそれが苦難の始まりでした) NHK初の歩行ロボットなので、今までの足回りの経験を活かせないことから、試作機の開発が必要不可欠であった。 ただ今回の開発した試作機の多くはルールを満たした歩行ロボットであって、そこから本番機まで進化できるロボットではなかった。 試作機の開発にメインなメンバーを配置し、完成がいつもの締め切りより大分遅くなりました。 途中いくつかの試作機の開発を中止しシャガイ投射やゲルゲ受け渡しなど他の開発に人員を移した方がいいかどうか大分悩みましたが、初めての四足歩行ということもあって、結局全部完成させたことになりました。 そして、一次ビデオで一番まともにタスクをクリア出来る直動型四足歩行ロボット(とある強い先輩が爆速で作ったもの)が採用されました。 横、縦方向にそれぞれ四つモーターとエンコーダーを用いて、直動で四本の足を移動することによって、前進や回転を行う四足ロボットです。 動き自体は単純だと思うかもしれないですが、制御の仕方によっては動きが全然違うことになります。 ただ足を上下左右移動させるではなく、歩行パタンやサイクルをうまく調整することによって滑らかな直進や回転することができる。 直動機構を多く搭載されて、モーターやセンサーも多く使っているので、基板配置や配線の問題がありました。(前制御長と一緒に頑張って解決しました) また、砂丘の認識するために試行錯誤を重ねて足裏にリミットスイッチ、バネや3Dプリンターパーツを使って接触認識機構を作りました。 そして、今回最も苦労したのは上下する足のモジュールの部分でした。 四足の重量を支えてかつ高速で足を上下させるので、足に結構負荷がかかります。 足を上下させる機構はラックアンドピニオンを用いて作られていて、ギヤとモーターのギヤヘッドの軸は同一軸なので、足に与える衝撃がダイレクトにギヤヘッドに伝わります。 最初は軸とギヤヘッドが軸貫通で繋がってるせいで、ギヤヘッド二個ほど死にました… 太い軸の穴にねじ切って両側ボルトをとめてやると、ギヤヘッドが死ぬ前に先にねじ穴が死ぬようになりました。 ってことは代わりにねじ穴が大量に死にます→壊れた度に追加工するか新しいパーツを作る羽目になる。(大変でした) 本当はギヤとモーターのギヤヘッドの軸は同一軸ではなく、間に多数のギヤをつけるべきでした。 本番は予備パーツを持っていて乗り切りました。(夜遅くまで先輩が一緒に頑張って作ってくれました。本当にありがとうございました!)
次にシャガイ投射について。 今年は主に直動型投射機構と回転型投射機構に分けて開発しました。 直動型投射機構はマウンテンの壁にシャガイのヤギの面にぶつかって馬の面を出すように制作するのに対し、回転型投射機構は太いエアシリンダと強力なバネを併用した力でシャガイを遠投するように制作を進めていました。 直動型はエアシリと定荷重バネを併用して開発し、実験を繰り返し、在庫にあるバネの力が足りない、壁に衝撃した反動が大きいことから馬の面が出せないリスクが高い、機構自体への反動が大きいなどの理由で開発を断念しました。 そして回転型投射機構を採用し、遠投三発連続投射し、馬の面を出すチームに対しての妨害にもできる方針で開発を進めていました。 「力こそパワー」な機構なので、投射するたびの反動が大きくて、機構自体が大きなダメージを受けてしまい、色んな角管や丸棒が曲がってえらいことになってしまいました。(その末に折れることに…) 二次ビデオの後先輩らの力を借りて急遽補強バージョンの投射機構を作り直したお陰で、最後まで特に角管や丸棒が撓むことなく正常に動作できました。(お見せすることなく終わりましたが…)
最後にゲルゲ受け渡しについて。 如何に速くスムーズに受け渡しできるについてアイデアを考え、滑り台でゲルゲを落とす案と直接掴んでゲルゲを引き抜く案に分けて開発を進めていました。 試作機構を作成し実験した結果、確実性と速さを総合的に考えた結果直接掴んで受け渡しする案を採用しました。 動きの流れとしては、橋を抜けた後ゲルゲ保持部を90度回転させてそのままMR1が直進し、ゲルゲがMR2側の受け取り部に接触してからバネの力でゲルゲを挟んでMR2が前進しそのまま引き抜く形になります。 MR1が直前にある程度減速してからMR2に突っ込む時の衝撃を緩和吸収するために、MR1のゲルゲ保持部にレールと定荷重バネをつけて解決しようとしました… 在庫にある定荷重バネが強すぎてうまく衝撃を緩和出来なかった。 新たな定荷重バネの発注はしたものの、納品が想定してたより遅れて間に合わなかった。 そこで、僕たちが取った行動はなんと代わりに輪ゴムを使って乗り切りました(?) (毎回輪ゴムのテンションをチェックして取替える必要はあります) 実は受け取り部の方にも似たようなことがありました。 引きバネの力ではゲルゲをしっかり挟むことが出来なかった。(MR2が移動する振動に耐えなくゲルゲが途中に落ちます…) 本来ならエアシリとか使ってしっかり掴める機構にするべきでしたが、時間や人員の余裕がなくそこは超強力両面テープを使って乗り切りました(?) よろしくないことの連発でした… 実際本戦でそれらのせいで試合に影響が出ました。(申し訳ない気持ちで一杯です)
今回は全体的に開発とアイデア出しが共に不十分でした。 アイデア出しをもっと深く考え、開発人数に適した試作機の必要な数だけ開発を進めるべきでした。 今は頑張って新入生教育を進め、開発や運営の見直しをして、次こそ良い結果を出していきたいと思います。
まだまだ書きたいことはありますが、気付いたら結構長くなりましたので、最後にMR2の写真だけ載せて終わろうと思います。
この先も応援の方よろしくお願いいたします!