NHK学生ロボコン2020を振り返る(ソフト編)

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こんにちは。前年度のソフト長です。今回は学生ロボコン2020のソフト面を振り返っていこうと思います。

まず、「ソフト班」について。Robohanは例年「機構班」と「制御班」と「回路班」に分かれて活動しています。しかし、2020年度は「機構班」と「ソフト班」の2つに分けました。学生ロボコン2020は現3回生が主体となって活動していたのですが、実は現3回生には元制御班が2人のみ、元回路班は1人もおらず…。回路班が1人もいないのはまずいということで、一旦制御班と回路班を「ソフト班」に合併させました。

 少人数のソフト班でしたが、学生ロボコン2020では「フィードフォワード制御とフィードバック制御の併用」「独立4輪ステアの制御」「経路設計」の3つを新たに開発・実装しました。 学生ロボコン2020の2台のロボットのうちの1つ「TR(トライロボット)」の足回りにRobohanは独立4輪ステアを採用しました。Robohanが学生ロボコンで独立4輪ステアを採用したのは今回が初めて。プログラムを書くにあたってほぼ1から考える必要がありました。他の全方位移動ができるオムニやメカナムと違い、独立ステアはホイールが常に進行方向を向くように制御しなければいけません。ホイールの向きと出力が上手くマッチしていないと、予想通りの動きをしないどころかモータに高負荷がかかってしまったりホイールが余分に摩耗してしまったりします。そこで、目標値等の情報に基づいてあらかじめ制御量を決定するフィードフォワード制御を取り入れることにしました。(当然フィードフォワード制御のみではどんどん目標経路からずれてしまうためフィードバック制御との併用も同時に考える必要がありました。) 加えて、フォードフォワード制御を行うために目標経路の各時間における情報(位置・速度・加速度)が要るため、中継点から滑らかな経路を生成するプログラムも実装しました。

 阪大では、新型コロナウイルスの影響で4月から全課外活動が活動停止になりました。人手不足も相まって完璧に制御できる状態にまでは持っていくことができませんでしたが、なんとか活動停止になるまでに上記3つを実装することができました。ただ、学生ロボコンに向けて活動している間、知識・経験不足を痛感したり、見通しが甘くて目標期限を過ぎてしまうことも多々ありました。この反省点を活かし、今は昨年度よりも頻繁に1,2年生に向けて勉強会を開催しています。

 学生ロボコン2020が中止になったのは残念でしたが、学生ロボコン2020に向けての開発で得たものはRobohanにとって無駄ではなく、私自身にとっても大変良い経験になりました。現在のRobohanですが、なんと制御班と回路班の部員が合わせて15人以上います!(部員が増えたのでまた制御班と回路班に分かれました)学生ロボコン2021に向けて毎日それぞれ自分のタスクに取り組んでおり、きっと学生ロボコン2021では良いものを見せてくれると思います。皆様のご期待に応えられるよう、より一層精進してまいりますので今後とも応援よろしくお願いします!